日本酒は本来、品質安定を目的として火入れと呼ばれる作業を行います。
60〜65度まで温めることで、火落ち菌の死滅、そして酵素の働きをストップさせます。
しかし、近年は冷蔵管理が整っていることから、一度も火入れすること無く出荷される、
「生酒」の酒類も増えてきました。
しかし、酵素は−5度以下でないとその動きを止めません。
そのため、少しでも管理が甘いと味わい事態に変化を生じてしまうのです。
2023年5月19日に登場した「冷眠生酒」は、酒質の変化を一切なくした生酒。
蔵で搾りたての味わいが自宅で味わえるのです!
様々なラインナップが登場していますが、
今回は富山県富美菊酒造の羽根屋(はねや)をいただきました。
冷凍で届く日本酒は緩衝材で包まれている
届いた状態は全面に緩衝材が付けられた状態。
当然ですが、−18度の冷凍便で届きました。
ダンボール内も緩衝材が沢山!
雑な扱いを受けても割れる心配はなさそう。
過去に何かしらのトラブルがあったのかもしれませんね。
ようやくキャップ部分が見えてきました!
酒瓶自体も緩衝材でグルグル巻きにされています。
通販史上、最大の緩衝材利用率でした。
でも、割れてしまうよりはいいですよね!
商品の説明書きも付いてきました。
本来日本酒を冷凍させると、水分が膨張して瓶が割れてしまいます。
そのため、日本酒を冷凍させるという文化はなかったのです。
しかし、急速冷凍装置「凍眠」を使用することで、搾りたて生酒の状態で、
一気に冷凍させることに成功したようです。
この技術はお酒だけではなく、全国の生物や料理に利用されているそう。
冷凍食品というジャンルの可能性を改めて感じます。
解凍していきます!
姿を表した羽根屋。
当然ですが液体、瓶も凍っています。
ラベルも冷凍を想定してか、水に濡れても大丈夫な素材になっていました。
「凍眠」の文字が中心に記載されています。
すぐに飲まない場合は、冷凍庫に保管することになります。
なんだか不思議な感じがしますね。
解凍作業自体は非常に簡単。
ボウルで30分間の流水解凍ということでした!
あまり見慣れない光景。
ザザーッと水を流しながら様子を見ていきます。
水風呂に浸かりながら解凍を待つ羽根屋。
面白い光景です。
15分程で液体になってきた!
そうしているうちに、15分程度で液体が現れ始めました。
真ん中に氷が出来ています。
記載通り30分程度で飲める状態に
あっという間に残りの氷も溶け、搾りたての生酒が完成しました!
本来、搾りたては蔵見学に行った人、
そして、タイミングよくその時に絞っていないと味わえません。
一昔前であれば、一般流通しない蔵人の特権ともいえる味でした。
それが自宅に冷凍で届くなんて、本当にすごい時代ですよね。
抜栓すると、「ポーン!」と勢いいい音が。
ガス感も含めて冷凍されていたのでしょうか。
見た目は非常にクリアです!
槽口から出てきた、その瞬間が現れたと思うと感慨深い。
香りはやはりフレッシュで若々しい印象です。
トロッとしたシロップのような香りも連想されます。
羽根屋は割りとジューシーで味の多い印象の銘柄ですが、こちらも同様。
どっしりと豊満な旨味を感じながらも、キレもあって美味しい!
温度の上昇とともに、徐々に香りも上がってきます。
日本酒の新しい体験として、非常に面白い1本でした。
「凍眠日本酒」は贈答用やイベント時に最適かも
これからの季節、お祭りなどのイベントで日本酒を提供する時、この「凍眠日本酒」は最高かもしれません。
本来、蔵見学に行かなければ味わえないフレッシュ感を、多くの人に提供できます。
それに、贈答用としても面白いと思います。
ちょっと変わった日本酒を送りたいと思った時、非常に良い選択肢になるのでは無いでしょうか。
「凍眠日本酒」は冷凍食品専門店である「TŌMIN FROZEN」が取り扱っています。
銘柄も沢山あり、値段もそこまで高くありません。
今後の可能性に期待したいジャンルですね!
新しい日本酒として、これからも注目したいと思います!
そうだね!また買ってみよう!