日本酒

【伏見見学記】銘酒が仕込まれる名水 「御香宮神社」の御香水

京都の伏見といえば、兵庫の灘と並ぶ日本酒の銘醸地。

今でも月桂冠、黄桜など全国区の蔵が軒を並べています。

いうまでもなく、日本酒には優れた水が必須!

そして、現在の伏見はかつては「伏水」といわれていたほど、上質な伏流水が流れる地として知られています。

今回は伏見の酒造りを支えている名水、御香水を確認しに「御香宮神社」へ行ってきました!

この水があったからこそ、伏見の銘酒が生まれたのです!

いいお酒にはいい水が必須なんだね!

御香宮神社はJR桃山駅から徒歩5分程度

京都観光の起点に利用されることが多いJR京都駅から御香宮神社へ向かうには、JR奈良線を利用して桃山駅まで向かいます。

約10分程度でアクセス可能ですので、比較的訪れやすい場所だと思います。

JR桃山駅

天気が良くて絶好の御香水日和?でした!

JR桃山駅前

伏見はJRだけではなく、近鉄の「桃山御陵前駅」と京阪の「伏見桃山駅」でもアクセスできます。

そちらのほうが商店街に近いためか、JR周辺は落ち着いた雰囲気が流れています。

それでも徒歩10分程度で中心方面へ迎えますので、散歩がてら歩いても問題ないでしょう。

御香宮前交差点

想像以上に立派な神社です

勝手な想像でしたが、もっとこじんまりした神社だと思ってましたので立派な表門に驚きます。

御香宮神社前門

この表門は重要文化財に指定されています。

こんなに大きいとは!びっくり!

御香宮神社前門2

見上げるくらい大きな門!立派だね!

御香宮神社には、十四代天皇である神功皇后(じんぐうこうごう)を主祭神として、夫の仲哀(ちゅうあい)天皇とその子どもである応神(おうじん)天皇などが祀られています。

日本書紀に記されている時代ということで、かなりの歴史があるようです。

御香宮神社自体の創健は不明らしく、最も古いものでは862年に社殿を修造したという記録が残されているようです。

この時からすでに、境内からいい香りの水が湧き出ており、その水を飲めば病が治るという話が出ていたといいます。

そして、時の清和天皇から「御香宮」の名を賜ったと伝わります。

由緒書

安産の神様でもあるんだね!

御香宮神社本殿

非常に立派な本殿は1605年に徳川家康の命によって再建されたものです。

1990年の修復に寄って、彫刻の色彩が復元されました。

本殿彫刻

名水が湧き出る神社らしく、彫刻は豊かな水がイメージされるデザインです。

綺麗な色彩で見とれちゃうね!

上部には鯉の滝登りは「登竜門」、左側の鯉には仙人が乗っており、下段の椿は「長寿の象徴」、そして真ん中には龍が描かれています。

非常に見事な彫刻ですので、これを見るだけでも訪れる価値のある神社といえるかもしれません。

名水スタンプラリー

伏見のスタンプラリーが開催されていました。

伏見はお酒と水がセットになった地域ということを実感できます!

ついに御香水と対面

本殿への参拝を済ませた後、いよいよ御香水を確認します!

御香水

こちらが平安時代から名を馳せた「御香水」の井戸!

上には立派な石碑もあります。

かつて徳川義直、徳川頼宣、徳川頼房がこの水を産湯として利用したとも伝えられています。

徳川頼宣は、先程の彫刻が刻まれている拝殿を再建した人物。

生まれた時には御香水を利用して、大人になってから拝殿を建てるなんて素晴らしいですね。

すごく良いエピソードだね!

御香水説明書き

御香水の詳しい解説が立てられていました。

明治時代に一度枯れたことがあったのですが、昭和57年に復元されたようです!

現在訪れた人が利用できる御香水は先程の井戸とは反対側に用意されています。

御香水

こちらも御香水のようですが、飲水としては扱えないとのこと。

それでも、十分澄んでいて美しく見えます。

濾過された御香水

現在、参拝者が飲むことができる御香水はこちらの竹から注がれています。

濾過された状態で、こちらの竹から出てきているようです。

われわれが訪れたときには、地元の方が2リットルのペットボトルに入れて持って帰っていました。

訪れる時、余裕があれば空のペットボトルか水筒があれば、それに詰めて持って帰れます!

次は絶対にペットボトル持っていこう!

御香水

すごく透明感のある綺麗な水です。

ここから数々の銘酒が誕生したと思うと感慨深いですね!

ホントだね!感謝しないと!

御香水を手酌で飲む

手酌で飲んでみましたが、非常になめらか。

地下水だからか冷たすぎず、ぬるすぎない美味しい温度です。

ミネラル含有量は公表されていないようですが、平均硬度は39~44mg/Lのよう。

WHOの基準では60mg/L以下を軟水に分類していますので、ばっちり軟水ということが分かりますね。

コーヒーやお茶を入れるのに適しているとも言われています!

絶対美味しいね!次の楽しみに取っておこう!

広い境内は見どころが沢山

広い境内は散策のしがいがあり、興味深いものも沢山ありました。

酒樽

当然ですが、伏見の酒蔵の日本酒がずらりと。

神社では珍しい光景ではありませんが、この神社に置いていると何か特別な印象を受けます。

麦酒株式会社の石碑

特に気になった石碑。

日本にかつてあった「大日本麦酒株式会社」関係のようでした。

この会社は戦後に分解され、現在もビールで有名なアサヒとサッポロに分割されたようです。

やはりお酒に関する信仰も集めているのでしょうか。

境内の桜

訪れたのは4月中旬でしたが、ギリギリ桜も残っていました。

新緑と合わさって、非常に綺麗な風景を楽しめます。

本殿と桜

本殿の美しい彫刻と綺麗な花のセットも鑑賞できます。

四季折々の風景を楽しめそうですね!

天気も良くて、とってもきれいでした!

境内のソテツ

本殿となりにあった、巨大な南国風の植物!

名水をベースに育っているからか、とんでもない生命力を感じます。

ソテツの説明書き

説明書きによれば、いつから植えられたのかは不明の「ソテツ」でした。

ソテツ研究に重要な資料ということで、大事に育てられているようです。

神社であまりみない植物でしたので非常に興味深かったです!

御朱印

御朱印は3種類用意されています。

御香宮神社の御朱印は、紙違いの特別版と通常版の2種類。

親切な巫女さんが丁寧に対応してくれました!

御香宮神社大鳥居

JR方面から向かう場合、こちらの大鳥居とは逆方向から参拝する形になります。

京阪、近鉄を利用するルートのほうが、神社として正規の方角になるのかもしれません。

御香宮神社 基本情報

◆御香宮神社 周辺地図

「御香水」以外の前知識がない状態でいったので、ここまで見ごたえのある神社だとおもっていませんでした。

観光としても楽しめる神社ですので、伏見を訪れた際にはぜひ足を運んでみてください。

とっても良い神社だったね!

彫刻もきれいで感動したよ!また参拝しに行こう!