滋賀県高島市の上原酒造が毎年12月〜2月頃に掛けて造る人気商品。
販売から20年以上と、不老泉アイテムの中でも比較的長期間販売されています。
無添加山廃が特徴の蔵ですが、杣の天狗は速醸酛。
そして、全国でも珍しい木槽天秤で搾られています。
酒屋さんでも売っていることが少ないのですが、
今回は蔵元を訪れた際に購入しました!
個人的に大好きな蔵元で、毎年のように飲んでいる銘柄です。
いつ飲んでも美味しいし、飲み飽きないよね!
地元で重要な林業からネーミング
「杣(そま)」という言葉は山などで働く「杣人」から取られています。
上原酒造がある地域は古くから林業が重要な産業。
加えて、同地域には天狗の伝説があることから、それら2つをかけ合わせて名付けられたようです。
名前は新聞チラシを経由した公募から選定したそうです!
滋賀県産山田錦を使用した地酒を造ろうという計画でスタート。
うすにごり生原酒は現在では普通にありますが、
20年前ではまだ珍しかったようです。
当初はタンク1本だけの仕込み予定でしたが、現在では8本と大人気商品に。
「不老泉といえばこれ!」という人も少なくない銘柄だと思います。
やっぱりたくさんのファンがいるんだね!
裏ラベル
裏ラベルで気になる点は、使用酵母が「蔵付・他」となっていること。
杣の天狗は協会酵母10号を利用しているそうですが、
発行段階で野生酵母も混ざってしまいます。
そのため純粋に10号だけを記載するのではなく、
このような形にしているようです。
すでに蔵付き酵母を純粋培養されているそうで、
6BY以降からは蔵付き酵母100%で杣の天狗を造ると仰っていました。
どんな変化があるのか、今から楽しみです!
外観
抜栓直後の写真。
うすにごりということで薄っすらとおりがかっています。
淡く白い外観からはにごり酒とも言えそうな雰囲気です。
若々しいフレッシュ感とコクのある苦味
香りはおりがらみらしくクリーミー。
サワーチーズのようなニュアンスも感じます。
口に含むと若々しいフレッシュ感が口いっぱいに広がります。
不老泉らしい旨口のお酒ですが、
速醸だからか重さはそれほど感じられません。
フルーティー、ジューシーな雰囲気がわりと全面に出てきます。
しかしながら、後味はコクとも捉えられる苦味が残り、
酸味もシャープに感じられる。
入り口は軽く、中盤から後半に掛けて非常に奥行きのある味わい。
やっぱりめちゃくちゃ美味しいですね〜
時間の経過と共にまろやかに
抜栓直後は若々しさが強調されていた杣の天狗ですが、
1週間程度経過するとまた違った味わいを見せてくれます。
クリーミーな香りが抑えられ、吟醸香を強く感じられます。
しかし、フルーティーな雰囲気ではなく、
「良い香りの木の実」といったイメージ。
緑黄色ではなく、茶色系なのですが良い香り。
口に含むとトロッとしたシロップのような甘みが広がります。
その後、不老泉らしいシャープな酸味で切れる。
コクのような苦味は影を潜めており、
まるで別銘柄のような変わり様に感じました。
不老泉のイメージに近いのはこちらかも?
いずれにせよ、めちゃくちゃ美味しいおすすめの一本ですね!
ラベル情報
- 醸造元:上原酒造株式会社
- 蔵元所在地:滋賀県高島市
- 特定名称:純米吟醸
- 日本酒度:+2
- 酸度:1.8
- アミノ酸度:1.6
- 使用酵母:蔵付・他
- 使用米:滋賀県産山田錦100%
- 精米歩合:59%
- アルコール度数:17度
- 製造年度:2023年5月
毎回違った発見があって、本当に面白い銘柄です!
不老泉シリーズの入り口としても最適かもしれないね!