日本酒

【日本酒テイスティング】現役大学生が企画したお酒!若宮酒造の「沾水(CHOSUI)」

「若者が興味を持つ日本酒を考えてほしい」という酒蔵からのリクエストに、大学生が応えて生まれた銘柄「沾水」。

先月クラウドファンディングサイトである「CAMPFIRE」で知って、早速一口支援させていただきました。

GW明けに早速、リターンとして品物が届きましたのでレビューさせていただきます!

学生が企画して実現した日本酒っていうだけで、夢がありますね。

ほんとうにそうだね!どんなお酒か楽しみだよ!

16度〜14度の3種類

沾水シリーズは日本酒の選びにくさや、大人向けのお酒であるという概念を払拭するためにデザインされています。

また度数の高さを苦手とする若者が多いことから、16度、15度、14度と3パターンのアルコール度数を展開。

自分の最も適した度数を見つけてもらう手助けになるとしています。

日本酒は度数の高さから敬遠する人も多いですよね。

同銘柄で度数違いという展開はあまりみないので、どのように風味が変化するのかも楽しみですね!

本プロジェクトが調査したアンケートでは、若者が日本酒を嫌がる要因のトップは「味」と「アルコール度数」の2点が圧倒的だったようです。

日本酒の良さでもある部分が裏目に出ている感じですね。

それらを払拭するための銘柄ということで、一体どんな味がするのか?と楽しみにしていました!

きれいなボトルデザイン

300mlサイズで届きましたが、ブルーがかった清涼感のあるボトル。

度数によってデザインの異なったラベルも凝ってますね!

デザインは京都工芸繊維大学の学生が担当されたということですが、レベルの高さに驚きます。

意外とレトロなラベルデザインには好印象を抱きます!

裏ラベルにはデータが記載。

度数以外の情報は同じになっていました。

酒米の記載はありませんが情報によると、綾部高校農業科の学生が稲作を担当した五百万石を使用しているようです。

造り以外のほとんどを学生が進めているとは、驚きますね!

酒米まで作っているなんて!徹底してます!

度数別に試飲していきます

それぞれ1%違いですので、外観に大きな違いはありません。

味の変化が分かりやすいように、低アルコールのものから確認していきます。

14度 満ちるつながり

外観は透明ですっきりとした印象です。

香り自体は非常に穏やかで控えめ。

日本酒特有のアルコール由来のツンとした香りが全く無く、水なのか?と思うほど控えめな香りでありながら薄っすらとフルーティな吟醸香も潜んでいます。

口に含むと、「本当に清らか」です。

14度という度数を感じさせない、いや、もはやアルコールをほとんど感じさせない風味です。

京都の日本酒らしい、控えめでおしとやかな酒質。

意外と古風なスタイルをベースにしながらも、すっきりと瑞々しい味わいに仕上がっています。

温度変化によって米っぽい膨らみも次第に感じられ、「日本酒本来の味わい」を手軽に知れる1本だと思いました。

全体的に控えめな、コンパクトに抑えた日本酒です!

普通の日本酒をジェットコースターとすれば、これは滑り台といった印象だね。

15度 清らかなゆらめき

1度上がるだけで結構香りは立つ印象です。

ふんわりと吟醸香が先程よりも目立ちながらも、アルコール感はやはり控えめ。

口に含むと日本酒らしい甘みが14度よりも強く感じられます。

酸味はそこまで強くなく、あくまでも水のように清らかに流れていく印象。

「日本酒らしさ」と「飲みやすさ」のバランスは、やはり14度よりも高いかな?と感じました。

薄すぎず、濃すぎずという丁度いい塩梅が出来ている気がします。

このあたりになるとお燗にしても美味しかったかもしれません!

16度 澄みわたるはじまり

最後は16度です。

原酒なのか分かりませんが最も度数が高いだけあり、香りは吟醸香がはっきりと立っています。

色味もグリーンがかった青っぽさが目立つ気がします。

トロッとしたシロップのような甘みと厚みが広がりながらも、日本酒特有の辛さや酸味はほとんど感じられません。

綺麗サッパリタイプの日本酒をより瑞々しくさせたという感じ。

本来であれば酸味で切れる部分が、水のようにサッと消えていく感じは独特かもしれません。

16度もあるということで他の2つとは異なり、人によってはアルコールを強く感じてしまうかもしれません。

1度違うだけでも全体の印象が大きく変わるのも面白いですね。

追記情報

包装はダンボールに入って届きました。

どういうワケか、キャップはそれぞれ異なるものが使用されています。

おまけでコースターも!

若宮酒造さんでの購入に利用できるクーポン情報も届きました。

また別の銘柄も購入させていただきます!

若者に向けた日本酒として立ち位置を確立するか

京都府綾部市の若宮酒造さんが本プロジェクトの造りを担当されています。

インタビューにも記載されていましたが、本来日本酒の「すっきり」と「芳醇」は反対の性質を持ちます。

しかし、その2つを両立させながらも、若者が飲んでも美味しいと思える味わいを目指すことに。

このような無理難題に対して糖化と発酵速度の調整を試行錯誤し、細かい醪管理によって実現したそうです。

造りのレベルが高くないと実現できないですよね。

個人的にはこのコンセプトを聞いた時、「フルーティーで香り系の甘口タイプ」が届くと思っていました。

しかし、前述した通り沾水は「日本酒本来の味わいを維持しながらも、瑞々しいタイプ」でした。

辛味を避けながらスッキリした味わいを出し、その中に日本酒らしい旨味も度数が上がるにつれて感じられます。

個人的に、これを飲んで「美味しい!」と感じられる若者は、潜在的に日本酒を好きになる土台ができている気がしました。

ワンカップよりは控えめですが、日本酒らしさはあります。

どちらかといえば流行りのタイプではなく、日本酒本来の味がベースになっています。

これまでフルーティータイプを飲んでいた人たちが沾水を飲んで、どう思うのか聞いてみたいなと思いました。

プロジェクトに参加した若者たちの合格があるので、そのあたりは必要ない心配かもしれませんが。

いずれにせよコンセプトとして面白く、若い年代が日本酒に興味を持つきっかけとして素晴らしい取り組みですね!

今回は第二回ということですが、次回も微力ながら支援させていただければと思います。

基本情報

沾水は若宮酒造さんの公式サイトで販売されています。

クラウドファンディングでは目標金額を達成していることからも、その注目度の高さが伺えます。

若者のアルコール離れが噂される時代において、現役大学生が企画した日本酒というだけでも非常に価値のある商品だといえるでしょう。

少量をシェアして試してほしいという想いから、300mlでのセット販売というコンセプトも良いですよね。

これからの動向に注目したいと思います!

水のように清らかな酒質は唯一無二といった印象でした!

若い人だけじゃなくて女性にもピッタリだね!